Introduction


飲むためには、土鍋に入れ、火で炒って、パンを作るのと同じ挽き臼で挽いて、インディアスのどこでも見られる木になるヒョウタンの器に入れる。そして、少しずつ水に溶かす。ときにはトウガラシを少し加える。そして飲む。

 どちらかというと、人間のためというより豚のための飲み物

 といってよい。

私は1年以上もこの国を回ったが、それを試してみたいとは思わなかった。

(引用『チョコレートの文化誌』八杉佳穂 世界思想社 2004)

ずいぶんな酷評をされたものですが、この「豚のための飲み物」とは、いったい何だと思いますか?
実は、これこそが「元祖チョコレート」なのです。

この記述は、イタリア人のベンツォニ(1518/19~70)という人物が残したものですが、スペインが南米を征服したとき、ヨーロッパ人は、はじめてカカオに出会います

それからおよそ500年。
街に目を向けると、たくさんのチョコレートでいっぱいです。

 

 チョコレートはお好きですか?

それなら、もっともっとチョコレートの秘密をのぞいてみましょう。

口に入れると、たちまちとろけて芳醇なカカオの香りが広がるチョコレートは、それだけでも十分に幸せになれるものですが、さまざまな食材や飲料、スパイスと合わせると、まったく別の世界が広がります。

チョコレートの原料は、カカオです。ですが、たかがカカオとあなどるなかれ。

どこでどのようにして生産されたカカオなのかによって、たとえ製法が同じでも、生み出されるチョコレートの風味は全く異なるものになります。ワインと同じように、テイスティングも行われるほどです。チョコレートのテイスティングなんて、ちょっとワクワクしませんか?


ショコラティエやパティシエの手から生み出されるチョコレートの数々は、まるで夢のように美しい芸術の世界そのものです。味やデコレーションへのこだわりだけではなく、そこには職人の技術、感性、ときには思想も詰め込まれています。ですから、そうしたチョコレートをただ「見て、食べて、おいしい~」で、終わりにしてしまうなんて、あまりにももったいない。

ただおいしく頂くだけではなく、魅惑的なチョコレートに関する深い知識と愛を持って、今までよりもずっとチョコレートを楽しみ、またその楽しさやすばらしさを発信していくことができる、それがチョコレートソムリエです。

チョコレートについて深い知識を身につけるため、歴史的背景世界のチョコレート事情カカオやチョコレートの特性についても詳しく学んでいきます。チョコレートのお菓子レシピは世の中に沢山ありますが、自分で作る場合でもお店でプロの技を楽しむ場合も、この背景を知っていることで、他の人とは一歩進んだより一層深い愛情を持って、チョコレートを楽しむことができます。

もちろんこの資格取得講座では、チョコレートソムリエとして身につけた知識を活かし、自分でチョコレート菓子を作ることもできるようになります。歴史あるクラシックなチョコレートレシピを、その成り立ちと共にマスターしましょう。
家庭的なチョコレートレシピ、古くから親しまれてきたレシピは、その家庭の数だけ母の愛と笑顔があるものです。あなたの日常にもチョコレートを取り入れて、大切な人を笑顔にしましょう。

 

チョコレートで美しくなれる!

チョコレートは、栄養価も高く、含まれる各種の化学成分は、薬効を期待されるものも少なくありません。例えば、カカオに含まれるポリフェノールは抗酸化作用を持ち、代謝をあげることに役立ちます。また、食物繊維も豊富で便秘解消にも効果的です。
テオブロミンは、精神をリラックスさせ、集中力を高めてくれます。

ですから、この甘くておいしいチョコレートを使ってダイエットだってすることができるわけです。大好きなチョコレートを食べて、健康的にダイエットできるなんて、夢のようだとお思いですか? でも本当なのです。

 

チョコレートソムリエとして、「こだわり」と「誇り」を持って、チョコレートの逸品を探しに街へ出かけましょう。
きっと、あなただけの特別なチョコレートがみつかります。