Lesson2-5 クーベルチュール・チョコレート

日本のチョコレートの規格では、カカオバター以外の食用油脂を用いていてもチョコレートと表示できます。それに対して、「クーベルチュール・チョコレート」と呼ばれる規格のチョコレートがあります。

クーベルチュール・チョコレートとは

iravgustin/Shutterstock.com

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すでに述べたように、そもそもチョコレートとはカカオバターによって作られるものです。ですから、カカオバターの含有量の多いチョコレートこそがチョコレート、というヨーロッパ基準に合わせて規格が定められているのがクーベルチュール・チョコレートです。

最近の高級チョコレートブームによってこの名が広く知られるようになり、高級チョコレートの代名詞のように考えている人も多いようですが、「クーベルチュール・チョコレート」というチョコレート製品があるわけではありません。

そもそもクーベルチュール(couverture)は、フランス語で「覆い」という意味です。つまりボンボンの上掛け、キャンディーやケーキなどのコーティングなど、細工に使用される特殊用途のチョコレートのことなのです。

クーベルチュール・チョコレートの厳格な規格

ヨーロッパ基準のクーベルチュール・チョコレートですが、その規定は厳格で「総カカオ分は35%以上、カカオバターは31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用してはならない」とされています。

ですから、ボンボン・ショコラなどを作る際に「(国際規格にのっとった)クーベルチュール・チョコレートを使用しています」ということが、チョコレートの一つのステータスとなるわけです。

日本では製菓用のチョコレートを指す場合も・・・

しかしながら、日本では単なる製菓用のチョコレートをクーベルチュール・チョコレートと呼ぶ場合もあります。こうしたキャッチフレーズを見たときには、お店の人にきちんと確認してから購入するほうがよいでしょう。

■Lesson2-5 まとめ■

  • クーベルチュールチョコレートには厳格な規格があり、「総カカオ分は35%以上、カカオバターは31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用してはならない」とされている。
  • クーベルチュール(couverture)とは、フランス語で「覆い」という意味。
  • 「クーベルチュール・チョコレート」というチョコレート製品があるわけではなく、ボンボンの上掛け、キャンディーやケーキなどのコーティングなど、細工に使用される特殊用途のチョコレートを指す。
  • 日本では単なる製菓用のチョコレートをクーベルチュール・チョコレートと呼ぶ場合もあるため、購入する場合はお店の人に確認すると良い。