日本のチョコレートの規格では、カカオバター以外の食用油脂を用いていてもチョコレートと表示できます。それに対して、「クーベルチュール・チョコレート」と呼ばれる規格のチョコレートがあります。
クーベルチュール・チョコレートとは
すでに述べたように、そもそもチョコレートとはカカオバターによって作られるものです。ですから、カカオバターの含有量の多いチョコレートこそがチョコレート、というヨーロッパ基準に合わせて規格が定められているのがクーベルチュール・チョコレートです。
最近の高級チョコレートブームによってこの名が広く知られるようになり、高級チョコレートの代名詞のように考えている人も多いようですが、「クーベルチュール・チョコレート」というチョコレート製品があるわけではありません。
そもそもクーベルチュール(couverture)は、フランス語で「覆い」という意味です。つまりボンボンの上掛け、キャンディーやケーキなどのコーティングなど、細工に使用される特殊用途のチョコレートのことなのです。
クーベルチュール・チョコレートの厳格な規格
ヨーロッパ基準のクーベルチュール・チョコレートですが、その規定は厳格で「総カカオ分は35%以上、カカオバターは31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用してはならない」とされています。
ですから、ボンボン・ショコラなどを作る際に「(国際規格にのっとった)クーベルチュール・チョコレートを使用しています」ということが、チョコレートの一つのステータスとなるわけです。
日本では製菓用のチョコレートを指す場合も・・・
しかしながら、日本では単なる製菓用のチョコレートをクーベルチュール・チョコレートと呼ぶ場合もあります。こうしたキャッチフレーズを見たときには、お店の人にきちんと確認してから購入するほうがよいでしょう。
■Lesson2-5 まとめ■
- クーベルチュールチョコレートには厳格な規格があり、「総カカオ分は35%以上、カカオバターは31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用してはならない」とされている。
- クーベルチュール(couverture)とは、フランス語で「覆い」という意味。
- 「クーベルチュール・チョコレート」というチョコレート製品があるわけではなく、ボンボンの上掛け、キャンディーやケーキなどのコーティングなど、細工に使用される特殊用途のチョコレートを指す。
- 日本では単なる製菓用のチョコレートをクーベルチュール・チョコレートと呼ぶ場合もあるため、購入する場合はお店の人に確認すると良い。