チョコレートコラム2・チョコレートでダイエット1

ダイエットにチョコレートを用いるという方法があります。


「甘くておいしいチョコレートが、本当にダイエットに効果があるの?」「甘いチョコレートを食べてやせるなんて、そんな都合のいい話があるわけない……」と疑いを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、ダイエットに効果的な側面があるのは事実なのです。
ただし、ダイエットにチョコレートを利用するためにはいくつかのポイントがあります。

カカオやチョコレートのダイエット効果

カカオバターに含まれる脂肪分は、体に蓄積されにくい事がラットなどを用いた実験から明らかになっています。「テオブロマ・カカオ ( Theobroma cacao )=神々の食べ物」の名にふさわしく、ビタミンやミネラルといったその他の栄養素も豊富です。さらに、カカオポリフェノールは、脂肪の燃焼を助け代謝をあげる効果や、テオブロミンが自律神経に働いてストレスを抑え、血管を拡張させて血流を良くする作用があります。(詳しくはLesson4-2Lesson4-3参照)

また、カカオには食物繊維が豊富に含まれています。ですから、便秘の解消にチョコレートがよい、というのも理にかなっているのです。

BlueSkyImage/Shutterstock.com

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このように聞くと今すぐにでもチョコレートを買いに行きたいような気分に陥りそうですが、実はチョコレート・ダイエットには注意しなければならない点がいくつかあります。

チョコレートダイエットの注意点

まず、食物繊維を例に見てみましょう。
グラフを見ても明らかなように、焼き芋100gとミルクチョコレート100gがほぼ同じ程度の食物繊維を含んでいます。ですが、ここで注意したいのは、ミルクチョコレートに含まれるほかの原材料の割合です。

ミルクチョコレートは、21%以上のカカオ成分を含んでいます。しかし、その他にも製品によっては砂糖や乳固形分、さらに油脂類が混合されていますので、食物繊維を摂取するためにミルクチョコレートを100g食べると、558kcalのエネルギーを摂取することになります。このカロリーはご飯およそ2膳分に相当し、しかももれなく34.1gの脂質がついてきます。

この脂質は、ポテトチップス100gとほぼ同じになります。実はカロリーと脂質だけ見ると、ミルクチョコレート100gとポテトチップス100gはほぼ同じ値を示します。どちらもダイエット中はちょっと我慢しなければならない食品ですよね。

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こうなると、「やっぱり、チョコレートでダイエットなんて無理」となってしまいそうです。

では、もう一度グラフを見てみましょう。
「ピュアココア」とは、砂糖や乳固形分がまぜられていない純粋なココアパウダーの事です。これを見ると、なんと繊維質の野菜の代表格「ごぼう」を抜き、ダントツの食物繊維を持っている事がわかります。

とはいえ、ピュアココアを100g飲むのは大変です。そこで、チョコレートが登場するわけです。

近年、カカオ分がより多く含まれるチョコレートが流通するようになりました。カカオ●●%と表示されているいわゆる、ビター・チョコレートです。

海外の高級なチョコレートは脂肪分のほとんどはカカオバターで出来ています。カカオバターは体に蓄積されにくく少量でも満足感を感じる事が出来るのでダイエットに適しています。毎日大量のチョコレートを味見するショコラティエに肥満の人が少ないのも、このカカオとカカオバターによる効果だと考えられています。

一方日本のチョコレートは、「Black」という記載があるチョコレートでもカカオ含有量が少なく、カカオバター以外の油脂類が多量に含まれているためダイエットには不向きです。ダイエットや美容のためのチョコレートは、質が良くカカオ含有量の多い海外のチョコレートを選ぶ事が大切なポイントです。

ビター・チョコレートは、砂糖や乳固形分などの割合を減らし、カカオ成分を多く使用しています。ですから、チョコレート独特の甘さが抑えられ、カカオの苦味が強くなります。食べ慣れていない人には、かなり苦く感じられることもありますので、最初は、カカオ70%程度のものから利用するとよいでしょう。