使える!チョコレート用語集 ア〜カ行

チョコレートが宝石のように並ぶショコラティエ。しかしその敷居が高く感じられ、落ち着いてチョコレート選びが出来なかった経験はありませんか?

その原因の一つにチョコレートの専門用語の難しさがあります。英語やフランス語、イタリア語にドイツ語、複雑なベルギーの言葉や日本語と、各国の言語が入り交じっているため、表示を見てもすぐに分からない場合も多いでしょう。
でもこれはあなたが愛するチョコレートの公用語。チョコレートソムリエになるために少しずつ覚えていきましょう。

ア行

エイジング(エージング)
温度や湿度を管理しながら保管し、熟成させること。チョコレート専門店には、ショコラエージングストッカーというチョコレートの熟成に最適な設定温度15~20℃を維持できる機器もあります。


エクレア(仏:eclair

細長く焼いたシューの生地にチョコレート風味のクリームをたっぷり入れ、表面にチョコレートフォンダンをぬったもの。クリームはチョコレート風味以外の物も多くカラフルなエクレアも人気です。

dedeejune/Shutterstock.com

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M.F.O

フランス国家最高職人の称号「Meilleur Ouvrier de France」の略。職人の技術保護のために1924年に制定され、「人間国宝」に相当するともいわれています。洋菓子界で日本になじみがある方では、ピエール・エルメもこの賞の受賞者ですが、その職種は料理以外にも植木や美容師、ガーデニングなど約180種にわたります。3年ごとのコンクール方式で「ショコラティエ」部門は1992年に新設されました。


オランジェット(仏:Orangette)
オレンジピールを砂糖漬けにし、チョコレートを掛けたり、チョコレートに浸したりしたフランスのお菓子。オレンジピールの苦みとチョコレートの甘み、また使用されているリキュールの調和が絶妙なお菓子。細長い形状のものから丸いままスライスされたものまでその形状は様々で、チョコレートのコーティングも、一部だけになされたものや全てを覆っているものもある。


オリジン(オリジーヌ)
オリジン(英:origin)もしくはオリジーヌ(仏:origine) 、ドリジーヌ(d’origine)という表記もまれにあります。直訳は起源・由来という意味で、原産地を表す言葉です。

 

カ行

カイエンヌ
カイエン・チリ・ペッパーが入ったホットでスパイシーなチョコレート。ぴりっとした辛みとチョコレートの甘さ、カカオの苦みのハーモニーが絶妙です。南米ではホットチョコレートにカイエン・チリ・ペッパーやクローブ、シナモンを入れるのが一般的で、日本でも人気があります。
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カカオマス
カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙焼(焙煎)、磨砕したものです。 液体のものをカカオリカー、冷却・固化したものがカカオマスと呼ばれます。

ガトー(仏:gateau)
小麦粉に卵や砂糖、バターを加えてオーブンで焼き、ナッツやフルーツ、チョコレートなどで装飾された菓子のこと、または焼き菓子の総称です。単純にケーキを指す場合もあります。ガトーショコラはチョコレートケーキの意味です。


ガナッシュ
温かい生クリームに刻んだチョコレートを溶かしたり、溶かしたチョコレートに生クリームを混ぜ合わせて作られたチョコレートのこと。トリュフのセンター(中身)や、ケーキに挟んで使用される事が多い。口溶けがとても良いのが特徴で、トリュフもこのガナッシュで作られます。
ちなみに、ガナッシュは「間抜け!」という意味があります。なぜそんな名前になったかというと、ある見習いパティシエがチョコレートの鍋にミルクをひっくり返すという大失態してしまったことから、このガナッシュが生まれたからという逸話が。
師匠が思わず「この間抜け!」と怒鳴った失敗チョコレートですが、仕方なくその鍋を混ぜていたところ、なめらかな口当たりのペーストが出来上がったというわけです。


カレ(仏:carré)
フランス語で四角のこと。3センチ角ほどの薄い板チョコのことをカレと呼んだりします。


グアナハ(グアナラ)GUANAJA

チョコレートのパッケージに記載があるのを見た事があるかもしれません。ヴァローナ社のグアナラが有名ですが、この名前はヨーロッパ人が初めてカカオに遭遇したのがこのグアナハだった、という逸話があります。
グアナハは、中米ホンジュラス沖にあるグアナハ島のことで、コロンブスが最後の航海をした時、グアナハで交易品を運ぶマヤ人たちと遭遇、その人たちがお金として使っていたカカオを目にした事を、息子のフェルナンドが「提督クリストバル・コロンの歴史」に記しています。


グラサージュ(グラサージュ・ヌートル)(仏:glaçage neutre)
つやを出したり、糖衣をかける事を言います。 少し緩めのジャムを指すこともあります。ヌートルとかナチュールが付くと、その文字通り特別な味も香りもないため、酒などで特徴を出せる使い勝手の良い副材料です。


グラサージュ・ショコラ
チョコレートケーキに溶かしたチョコレートを上掛けすることをいいます。また、 水分量を多く含むのチョコレートクリームのことをいう場合もあります。

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グラシン
耐油性の紙のことをグラシンと呼びます。この紙をひいたり、グラシンカップにショコラを載せたりして、油がしみないようにします。


ケーク・オ・ショコラ(仏:cake au chocolat
英国生まれのチョコレートのパウンドケーキ。


コンシャージュ(英:conching、仏:conchage
精練のことをさします。精製の終わったペースト状のチョコレートを、さらになめらかにする工程/コンキング(英)。 スイスのチョコレート業者ロドルフ・リンツによってその製法が改良されました。


コンフィズリー
ボンボン(キャンディ)、キャラメル、ギモーヴ(マシュマロ)やヌガーなど、甘くて色とりどりの砂糖菓子。砂糖には保存性を良くしたり固めたり、ツヤを出したりとさまざまな働きがあり、熱を加えることによって美しいお菓子に変身します。
フランス菓子では、小麦粉やアーモンドパウダーなど「粉」を使った生地(パート)で作るお菓子をパティスリーと呼び、粉を使わない砂糖菓子をコンフィズリーと分類しています。“砂糖菓子”という翻訳の響きから甘いイメージを持ちますが、保存性を高めて材料を安定させる砂糖の特性を生かしたすてきなお菓子、それがコンフィズリーです。

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