Lesson8-5 ハリウッドセレブも大注目のRaw Chocolateとは?

ここまで、カカオに美容・健康効果があることを学んできました。そんなチョコレートの中で、新しいジャンルのチョコレートが注目を集めています。

それがRaw Chocolate(ローチョコレート)です。
Rawとは「生」を意味するため、直訳では「生チョコレート」となりそうですが、私たちが今まで口にしたことがあるガナッシュ生地の生チョコレートとは全くの別物です。

ここでは、チョコレートパーティーでも話題間違いなしのローチョコレートについて学んでいきましょう。

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Raw Chocolate(ローチョコレート)とは?

スムージーやコールドプレスジュースなどがハリウッドセレブたちのスタンダートとなっています。これらは果物や野菜などを非加熱(生、もしくは47℃以下の加熱)で食べる食事のローフード(Raw Food)の一例です。
加熱しないことで、今話題の酵素や多くの栄養素が失われることなく取り入れることができるため、健康と美容のおいしい食事の取り入れ方として欧米では人気となっています。
ローチョコレートも同じ理論により加熱処理をしていない食材で作られています。

iprachenko/Shutterstock.com

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ローチョコレートの効能

生カカオには、30種類以上のビタミン・ミネラル・酵素など、驚くほど多くの栄養素が詰まっています。

ここで改めてカカオに含まれる栄養素について復習しておきましょう。

  • テオブロミン…高揚感を生む。集中力、記憶力、思考力向上。リラックス効果。
  • クロム …糖尿病の改善のキーワードとして注目されている成分。
  • トリプトファン…鎮痛作用。肥満、不眠症、うつ状態の改善があると言われている。 精神を安定させるセロトニンの原料となります。
  • ポリフェノール…脳梗塞や動脈硬化予防。活性酸素、血中コレステロール抑制。肝機能、脂肪分解機能向上。殺菌効果。糖尿病改善。細胞の老化防止や癌予防にも有効と注目されています。
  •  アナンダマイド不安を和らげ、適度な至福感を生み出す。血管を柔軟にし動脈硬化を防ぐ。 記憶力を高めるとも言われています。
  • PEA…性欲を高め、食欲を抑えると言われています。熱に非常に弱い性質を持ちます。
  •  カテキン…赤ワインやアサイー以上の含有率。抗酸化、抗菌、抗う蝕、消臭、活性酸素消去 コレステロール抑制、血糖・血圧上昇抑制、抗腫瘍、抗アレルギー作用など様々な効能があると言われています。カテキンも熱に弱い性質を持ちます。

その他、マグネシウム 鉄分 マンガン 亜鉛 オメガ6 銅  ビタミンC 等を豊富に含んでいるのが生のカカオです。

カカオの薬効や健康に与えるメリットは今までもしっかり学んできましたが、実ははこの様々な効能はをもたらす栄養素は、カカオ豆のローストや乾燥など加熱処理によりほとんどが壊れてしまっているという指摘もありますまたコンチングやテンパリングの段階でも加熱されるため、市販のチョコレートはそのほとんどが加熱済みなのです。

ローチョコレートは、使用する食材も非加熱の物を用い、また作る段階でも47℃以上の加熱は行わずに作られます。そのため様々な栄養素が破壊されることなく、体にアンフレンドリーだと指摘されている食材も使用しないため、よりカカオの効能を享受でき、健康にも美容にも嬉しい太らないチョコレートとして注目を集めているのです。

 

普通のチョコレートとの違い

市販のチョコレートとの大きな違いは、上記でも説明した「非加熱」という部分です。ローチョコレートでは、テンパリングの段階でも温度を43℃前後に保ちます。

もう一点、大きな違いは使用される素材です。カカオもカカオバターも非加熱の素材を使用し、一般的なチョコレートであればほとんど使用されている「乳製品」「白砂糖」「カカオ以外の植物油脂」を使用しません。体に負担をかける可能性がある食材を使用せず、出来るだけ精製されていない自然の形に近いものが使われます。

■ローチョコレートで使用される食材

  • ローカカオ(ビーンズ、ニブ、パウダーなどの形状)
  • ローカカオバター
  • メープルシロップ、アガベシロップ、ココナッツシュガー、パームシュガーなどの天然甘味料
  • ドライフルーツや生のナッツ、様々なスーパーフード

ローカカオバターも美容分野で大変注目されている素材です。脂質としての質高くオメガ6、オメガ9を含むオイルで、ビタミンEにビタミンK、鉄、亜鉛なども含まれています。また、食べる以外にも肌や髪への高い保湿効果も注目の理由です。
普段あまり見かけない素材もありますが、チョコレートソムリエとしてチョコレートの最先端事情はしっかりキャッチしておきたいものです。

 

ローチョコレートを作ってみよう!

女子としては見逃せない美容効果の高いローチョコレート。食材さえ揃えてしまえば、お家で簡単に作ることができます。

【材料】

ローカカオバター・・・・・・・100g
ローカカオパウダー・・・・・・大さじ6
メープルシロップ・・・・・・・大さじ3〜4
塩(出来れば天然自然海塩)・・ひとつまみ
バニラエクストラクト(もしくはバニラエッセンス)・・・小さじ1

【作り方】

  1. ローカカオバターを湯煎で溶かしやすいように細かく刻んでボウルに入れます。
  2. 湯煎をしていきます。刻んだローカカオバターのボウルに温度計をさし、47℃以上にならないように注意しながらローカカオバターを溶かします。40℃くらいになったらほぼ溶けているので、湯煎から外して余熱で溶かしていきます。
  3. ③にローカカオパウダーをふるいいれ、へらか泡立て器でよく混ぜ込み溶かし込んでいきます。カカオパウダーがきれいに溶けたら、塩、バニラエクストラクトを加えます。
  4. テンパリングを行います。③のボウルの底に氷水をあてて、絶えず混ぜながら27℃になるまで温度を下げます。
  5. ④を再び湯煎にかけ、32℃まで温度を上げます。もしこのとき上がり過ぎてしまったら、もう一度④からやり直して調整します。
  6. テンパリングしたチョコレート生地を型に流し入れて冷やし固めます。チョコレートは水滴に弱いため、型に水滴などが付いていないかしっかり確認しましょう。アルミカップに入れてもかわいく仕上がります。
  7. 冷蔵庫で1時間以上冷やし固めれば完成です。

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■ローチョコレートアレンジ■

1番簡単なカップに入れる方法は、上にトッピングをするだけでとてもかわいい一粒になります。

チョコレートに彩りのトッピングをたっぷりと。濃いブラウンと赤のコントラストはとても美しいです。トッピングもドライフルーツなどできるだけナチュラルで体に優しいものを利用してみましょう。

Shebeko/Shutterstock.com

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■ローチョコレートの食材について

ローカカオバターやローカカオパウダーなどは、自然食品の食材を取り扱う店やローフードレストランでも一部取り扱っている所があります。
お近くにそのような店舗が内場合は、ネットでの購入が便利です。ローチョコレート愛好者が多く利用しているサイトをいくつかご紹介します。

iHerb…最もお得な価格で購入できます。海外から直接仕入れになりますが、安心して利用できるサイトで、その他のスーパーフードやヘルシー素材、オーガニックコスメなども取り扱っています。

Living Life Marketplace… 沖縄にあるオーガニック・ローフード食材専門店です。様々な製品があり、冬期はローチョコレートの取り扱いもあります。

※ローチョコレートの栄養価や活用法、レシピなどについて詳しく知りたい場合には、スーパーフードスペシャリスト資格取得講座で様々なアレンジやローチョコレートの楽しみ方、レシピなどをマスターすることができます。