Lesson7-5 チョコレートとマリアージュ・ワイン編

Africa Studio/Shutterstock.com

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チョコレートコラム1やLesson6-2でも少し登場した『マリアージュ(mariage)』という言葉。耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

本来はフランス語で『結婚・婚姻・婚礼』などを意味した言葉でしたが、それが派生し、『飲み物と料理の組み合わせが良いこと、食材同士の組み合わせが良いこと』を指します。ワインと料理の組み合わせについて使用される事が多いですが、近年ではワインに限らず様々な相性のよい食べ物の組み合わせに用いられる言葉となりました。

チョコレートでも、そのマリアージュを楽しむことができます。ここでは、チョコレートの楽しみ方が何倍にも広がり、幅広い年代の方との話題にも活用できる、『チョコレートとお酒のマリアージュ』について学んでいきましょう。

 

ワインとチョコレートのマリアージュ

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日本ではまだまだワインとスイーツの組み合わせに馴染みが無い方が多いですが、実は共通点が多い両者。ワインと一緒にチョコレートを提供するお店も出てきています。

チョコレートとワインの相性に関して、一言でその善し悪しを表現することはできません。チョコレートは強烈な個性を持っているものもあるので、マリアージュを楽しむためには知識が必要となります。

 

ワインとチョコレートの共通点

マリアージュを楽しむために大切なのは、食材とワインの持っている個性、要素の共通項を探すことです。
例えば、赤ワインとチョコレートとの共通点には、ポリフェノールがあげられます。また、タンニンが強い赤ワインとビターチョコレートは、ほろ苦い余韻の相乗効果が感じられます。 その他、チョコレートはカカオの含有率の違いや、ナッツ、フルーツ、スパイスなどを加えたものがありますが、それらはワインの香りの表現として用いられていることもあり、両者の共通点は意外にも多いと言えます。

 

ワインとチョコレートのマリアージュテイスティング

Arina P Habich/Shutterstock.com

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マリアージュを楽しむ前に改めて、マリアージュには『絶対的な1つの正解があるわけではない』ということを思い出しておきましょう。下記マリアージュ表を参考にして学んでいきますが、あくまでも大切なのは、あなたが実際に味わった時の感覚なのです。

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ビターチョコレートとの相性
個性が強いビターチョコレートは、赤ワインなどと合わせると苦みや渋みを強く感じる場合があり、好みが分かれるところです。この苦みと渋みの相乗効果が好きな方もいらしゃるので、そういう方はビターチョコレートと深いボルドーの赤を合わせマリアージュを楽しんでください。
苦みなどが苦手な方は、甘め、もしくは爽やかな白ワインがおすすめです。

ミルクチョコレートとの相性
まろやかな甘味のミルクチョコレートは、赤ワインやロゼスパークリングと相性がよいものです。ロゼスパークリングと合わせると、イチゴミルクのような柔らかい味わいの魅力的な余韻を感じることができます。

ホワイトチョコレートとの相性
おすすめはロゼスパークリングワイン。ホワイトチョコレートの、甘み、クリーミーさがロゼとマッチして、最高のマリアージュが楽しめます。

ナッツ入りチョコレートとの相性
赤ワイン以外のワインなら、どれも相性抜群です。チョコと素材の味わいに立体感があるので、ワインにも付加価値が加わります。
アーモンドチョコと白ワインやスパークリングワインの組み合わせは、アーモンドの香ばしさが口の中に広がり、ワインの高級感が増します。また、ロゼと合わせるとナッツの香ばしさがワインのコクを増し、素敵なマリアージュが楽しめます。

オレンジピールチョコレートとの相性
この中で最もワインと合わせやすく、どのワインとも相性抜群なのがオレンジピールチョコレートです。この組み合わせは、伝統的なフランス料理である『鴨のオレンジソース』に赤ワインを合わせたり、サングリアにオレンジを入れたりすることからも、どんな方にも受け入れられやすい相性抜群な組み合わせと言っていいでしょう。
オレンジピールチョコレートを食べて赤ワインを飲むと、オレンジの甘酸っぱさがスパイスとなり、ワインの味わいにより高級感が感じられます。

レーズンチョコレートとの相性
レーズンはワインと同じぶどうが原料のため、合わせやすいチョコレートとなります。スパークリング系よりも果実味があり濃縮感があるタイプの赤ワインや、酸味が少なく爽やかな白ワインおすすめです。

 

冬にうれしい!ホットワインとのマリアージュ

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冬はチョコレートの季節でもあり、さらに温かいドリンクが恋しい季節でもありますね。表にはありませんが、ホットワインとチョコレートとの相性が気になる方も多いはず。

スパイスを利かせたホットワインは、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートなど、甘味のあるチョコレートとの相性が抜群です。一緒に食することで、生チョコのようななめらかな口溶けが楽しめます。ビターチョコとホットワインは酸やえぐみを感じやすくなるためあまり相性がよいとは言えませんが、それ以外のチョコレートとならどれも素敵なマリアージュを楽しめるので、冬の時期にぜひ試してみてほしい物の1つです。

 

マリアージュも、実際に味わうことが最も大切です

このように表にして確認すると、分かりやすくなりますね。この表を参考に、ぜひワインとのマリアージュを楽しんでみましょう。そして、自身の感覚を表にしたり、テイスティングノートにメモしていきます。

組み合わせの基本や、比較的誰が食しても相性が良いと感じる組み合わせはありますが、それも人によって感じ方は様々です。自分の感覚を磨くことで、講座をする際にも言葉に信頼性が増し、あなただけのマリアージュの提案もできるようになるでしょう。

まずは基本から、ぜひ気になるものを実際に試してみましょう。