街にあふれる様々なチョコレート。コンビニエンスストアのようにありふれた空間でさえ、並ぶチョコレート商品は多種多様です。
ちょっとつまめるようなものから、本格的なスィーツ、ココア飲料などの関連商品も含めると、いったいどれだけのチョコレートがあるでしょうか。
しかしこれほどチョコレート関連商品があると、いったい何がどう違うのかよくわからなくなることがありませんか?
「チョコレートを買って来て」「チョコレートが食べたいな」と言われた時に、果たしてその人の言う「チョコレート」とは何をさすのか。あるいは「カカオ72%」のチョコレートと「ブラック」チョコレートはどう違うのか。
考え出すと、チョコレートの迷宮に囚われてしまいそうです。
ここで、チョコレートについて正しく定義しておくことにしましょう。
日本のチョコレート規格
チョコレートに限らず、食品の「表示」には厳密な規定があります。チョコレートに関わる法的な基準について、簡単に確認しておきましょう。
景品表示法と公正競争規約
まず、「景品表示法」という法律があります。
消費者はより品質が高く、かつできるだけ安いものを購入するために、「選択」という行為に基づいて購買活動を行います。事業者は、消費者の期待に応え、商品やサービスの向上に努力すべきです。
しかし、その表示が不当なものであったり、あるいは過大な景品類が提供されたりしてしまうと、消費者の「選択」に悪い影響を与え、正しい「選択」ができずに利益が損なわれることになります。そうしたことから消費者を守るために制定されたのが、「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」です。そして、この法律を根拠にして、それぞれの業界は、自主的なルールを定めています。これが「公正競争規約」です。
チョコレートの業界にも、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(以下「表示規約」)が設定されています。この表示規約において、一般消費者に販売される様々なチョコレート関連の商品には、定義と規格基準が設けられているのです。
Lesson2-2からチョコレート類の表示規約、それに基づく分類について細かく見ていきましょう。
■Lesson2-1 まとめ■
- 消費者が、事業者が提供する製品を正しく選択して購入できるように「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」がある。
- チョコレートの業界にも、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」が設定されている。