カカオ原料とは
カカオ原料とは下記を指します。
- カカオマス
- カカオバター
- ココアケーキ(ココアの塊のこと)
- ココアパウダー(「ココア」)
- 調整ココアパウダー(「調整ココア」)
Lesson1-5でも述べましたが、「カカオマス(カカオリカー)」はカカオニブをすり潰しペースト状にしたものです。「カカオバター」はカカオニブに含まれる油脂分のことで、「ココアケーキ」はその油脂分を取り除いた後にできる塊のことです。
これらはチョコレートの製造過程で生じるものなので、製菓等の素材として用いられる場合もありますが一般的な商品ではありません。
一方、残りの「ココアパウダー(ココア)」と「調整ココアパウダー(調整ココア)」は、一般的な市販品として私たちにも馴染みがあるものです。
これらについて、基準を確認しておきましょう。
ココアパウダーと調整ココアパウダー
「ココアパウダー」とは・・・ココアケーキを粉砕したもので、カカオバターが8%以上、水分7%以下のものをいいます。
ココアパウダーには、以下の3種類があります。
- ココアパウダーのみのもの
- ココアパウダーにバニラ系の香料を加えたもの
- ココアパウダーにバニラ系の香料の他に、必要によりその他の香料、香辛料、ビタミン、ミネラル等を合わせて3%未満加えたもの
「調整ココアパウダー」とは・・・ココアパウダーに糖類や乳製品あるいはナッツなどの可食物を加えて調整し、手軽に飲めるようにしたものです。
何を加えたかによって次の3種類に分けられます。
- ココアパウダーに糖類のみを加えたもので、ココアパウダーが32%以上、水分が7%以下のもの
- ココアパウダーに乳製品または他のナッツなどの可食物を加えたもので、ココアパウダーが20%以上、水分が7%以下のもの
- ココアパウダーに糖類及び乳製品または他の可食物を加えたもので、ココアパウダーが10%以上、水分が7%以下のもの
以上、やや複雑な話になりましたが、このようにチョコレートやココアには厳密な成分の基準が定められています。
何を「チョコレート」というのか、カカオやカカオバターの成分はどのようなものなのかについて理解することは「チョコレート」を購入し、味わううえでは不可欠な知識といえます。チョコレート等を購入するときには、こうした商品表示を実際に見ながら確認する習慣をつけるとよいでしょう。
■Lesson2-3 まとめ■
- カカオ原料には、①カカオマス ②カカオバター ③ココアケーキ(ココアの塊のこと) ④ココアパウダー(「ココア」) ⑤調整ココアパウダー(「調整ココア」)などがある。
- 「ココアパウダー」とは、ココアケーキを粉砕したもので、カカオバターが8%以上、水分7%以下のもの。香料や香辛料の配合により3種類に分けられる。
- 「調整ココアパウダー」とは、ココアパウダーに糖類や乳製品あるいはナッツなどの可食物を加えて調整し、手軽に飲めるようにしたもの。さらに加えたものにより3種類に分けられる。
- チョコレートやココアには厳密な成分の基準が設けられている。これはチョコレートを知り味わう上では欠かせない知識である。